せん妄の原因とは
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高齢者は、いくつかの疾患を持っており、内服薬や外用薬などを処方してもらっている患者が多くいます。この場合、高齢者は複数の診療科に並行して通っており、それぞれの診療科が服用している薬を共有できていないということもあります。それに気付かないまま、同じような効果の薬を重複して処方してしまうと、成分を過剰に摂取してしまうなどの危険性があります。このような状態の高齢者がせん妄を起こした場合は、これら薬の多重服用が原因とされることも多く、特に5種類以上の薬を服用することを「多剤併用」といい、要注意とされています。せん妄症状を避けるためにも、たとえば自分の親や身近な高齢者の薬の服用状況などをお薬手帳を使って確認し、見直すことが大切です。
せん妄では、転倒などの事故の危険性もあり、看護を行う上で、事故の要素になるようなものに気を配る必要もあります。あなたの身近な人がせん妄症状を患っている場合、せん妄の知識と患者ヘ対する理解を深めて、ケアに努めて下さい。
せん妄では、転倒などの事故の危険性もあり、看護を行う上で、事故の要素になるようなものに気を配る必要もあります。あなたの身近な人がせん妄症状を患っている場合、せん妄の知識と患者ヘ対する理解を深めて、ケアに努めて下さい。
せん妄の原因となりやすい薬とは
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さまざまな薬があるなかで、せん妄の症状を引き起こしやすいとされる薬があります。それは、パーキンソン病の治療薬で、この薬の成分となるドーパミンという物質が脳内のセロトニンの代謝を乱した結果、幻想をみるようになるとされています。また、睡眠薬や抗うつ病などの精神神経に直接作用する薬は、特にせん妄と関係しやすいとされるものです。さらに、手術で使われる痲酔やがん緩和のオピオイド系の鎮痛薬も要注意とされています。自分の身近な人が当てはまるかどうか注意してチェックしてみましょう。
医師に相談する
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せん妄らしい症状が見られ、多様な薬の服用がある場合は、医師に相談し原因だと懸念されるものを取り除いていく必要があります。その際、薬の服用歴やせん妄のようになっていった体調の変化に注目しましょう。これで、原因となるような薬が特定された場合は、服用を中止して患者の様子を観察するようにするのも大切です。また、冒頭で少し述べた通り、高齢者は複数の医療機関にかかっていることがあり重複して薬が出されていることが多々あります。医療機関は薬局が隣接していることが多いので、別々の薬局で薬を処方してもらう人が多く、できるならば一カ所で一括してもらうのがベターです。そして、プライバシーの観点から医療機関同士では情報を共有していないため、患者が自ら伝えなければ分からないのです。この問題をスムーズに解決してくれるのがお薬手帳です。お薬手帳にはどの医療機関の医師が、いつ、どのくらいの量の薬を処方してくれたかが記録できるので情報を共有する上で非常に便利です。せん妄はもちろんですが、複数の薬を飲んで体調不良を起こした場合、お薬手帳をもとに一度医師に相談してみるのもいいかもしれません。きちんと薬の管理をすることは、自分や家族の健康を守る上でとても大切なことなのです。
周囲の協力が不可欠
もし身近にせん妄患者がいるのであれば、せん妄の症状が少しでも軽くなるように、せん妄の原因をきちんと追求し身体の状態の回復の支援をしてあげることが重要です。そして適切な対応のもと治癒を促進していかなければなりません。深刻な症状になるまえに、家族で一眼となって治癒に向けて迅速なケアを行っていくことがポイントとなるでしょう。
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