それぞれの時期に必要な睡眠時間が違う理由
via pixabay.com
必要な睡眠時間や睡眠習慣は、子供の成長過程によってそれぞれ違います。生後2か月頃までは、14~15時間もトータルで眠っていますが、この頃の赤ちゃんにはまだ昼と夜の区別がありません。1歳を超える頃は少し少なくなり、13時間程度の睡眠時間になります。昼夜の区別がついて、まとめて眠れるようになってきたからです。そして、幼稚園などに入り、活発に活動する3、4歳ころからは12時間程度の睡眠時間が必要とされています。睡眠の質が深くなるのです。これらの理想的な睡眠時間を確保するためには、早寝早起きを心がけて、休みの日も同じ生活リズムでいるようにしなければいけません。夜、眠っている間に、成長に必要な成長ホルモンが分泌されるのです。それを促すためにも質のいい睡眠時間を確保し、それをきちんとした習慣にしておきたいものです。就学前の5歳ころまでに睡眠習慣をきちんと整えておきましょう。
睡眠中の成長ホルモンの役割
via pixabay.com
夜の睡眠中に分泌される成長ホルモンですが、22時から翌2時の間に最も分泌量が増えることがわかっています。睡眠に入ってから2時間の間が成長ホルモンの大量分泌時なので、夜の9時には眠る体勢に入っていたいものです。成長ホルモンは、軟骨細胞の分裂を促して、身長を伸ばしてくれます。「寝る子は育つと」はそういう理屈から出来たことわざなのです。また、脳の疲労も回復してくれます。脳が回復しなければ、集中力や記憶力、知能の発達が高められません。成長ホルモンには筋力をつける効果もあります。代謝を活発にしてくれます。子供の成長に必要な睡眠習慣ですが、5歳までに規則正しい睡眠習慣を身につけておかないと、就学後の行動に影響がある可能性があるとの研究結果があります。
5歳までに正しい睡眠習慣を
2013年、イギリスのユニバーシティ・カレッジ・ロンドンで行われた研究で、7歳の子供およそ1,000人を対象にしたものがあります。それによると、3歳、5歳、7歳の睡眠習慣と学校生活の行動などを、本人の周りの人に聞き取ったら、ひとつの傾向が見えてきました。睡眠習慣が乱れて、就寝時間が不規則だったり、寝つきが悪かったりする子供は、落着きがなく、情緒が不安定な傾向があります。そして学習の程度にも影響が見られるようです。できるだけ、子供のうちから適切な睡眠時間を確保し、正しい睡眠習慣を身に付けさせてあげたいものです。
早寝早起きは成長のもと
現代社会では母子家庭、父子家庭で親が遅く帰宅したり、またテレビなどの誘惑も多く、子供を早く就寝させてあげたいと思っていても、なかなか思うようにならないこともあるでしょう。出来る範囲から少しずつ、良い睡眠習慣を身に付けさせてあげることで子供の成長を促すことができます。
参考:
Kate E. Williams et al.: British Journal of Educational Psychology. 2016 Feb 25; 10.1111/bjep.12109
Yvonne Kelly. Et.al.: Pediatrics: 2013 Oct.
Kate E. Williams et al.: British Journal of Educational Psychology. 2016 Feb 25; 10.1111/bjep.12109
Yvonne Kelly. Et.al.: Pediatrics: 2013 Oct.
12 件