患者さんとの会話内容
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地域医療の担い手として薬局・薬剤師への期待が高まっている今、患者さんとの会話内容が重要視されています。職場や自分自身の地域医療や地域の包括ケアへの取り組みについての意識調査では、職場として積極的に取り組もうとしているのが73.1パーセント、自分自身積極的に取り組もうと思っているのが65.7パーセントと意識の高さを伺えます。しかしながら、患者さんとの会話内容は処方薬の説明といった基本的な内容はしているものの、医療薬や健康には関係のないプライベートな会話をしている調剤薬局薬剤師も多く、地域の包括をしていく上で重要となる患者さんの生活スタイルや背景を把握できているかというと、そうではないのです。職場や薬剤師個人としての意識は高いのに関わらず、取り組みの現状としてはまだ不十分なのです。患者さんの食生活や、運動習慣などの生活背景を薬剤師の方から話題にあげるように心がけて、見えにくい患者さんの背景を知っていく必要があるのです。
地域包括ケアにあたっての障壁
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地域包括ケアを行っていく上で、障壁となっている内容はどのようなことが挙げられるのでしょうか?まずお薬手帳の電子化の導入です。現在は冊子のお薬手帳のみなので、何十年単位での患者さんの調剤情報を知ることが難しいのです。お薬手帳を電子化することで、端末での保存が可能になり何十年に渡っての管理ができるので、患者さんの調剤情報をさかのぼって確認することが可能になるのです。また、在宅患者さんの薬の服用の管理方法も考えていかなければいけません。調査の結果、患者さんへの24時間対応を望む声もあがっていますが、形にしていくためには医療政策や情報量を増やしていく必要があるのです。その他にも、必要としながらも不足していると感じている項目は多く、地域包括ケア、地域医療、医療連携についての情報や、医療制度改革などへの国としての動きといった医療政策や制度に関する情報、薬剤師自身のキャリアプランニングや、薬局の経営についての情報と、患者さんによりよい地域貢献をしていきたくても難しいのが現状です。
ジェネリック医薬品の推進意向
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調剤の際に患者さんにジェネリック医薬品を勧めたり、安全性に対する理解度は病院の薬剤師よりも調剤薬局の薬剤師の方が高く、個人経営やチェーン店の調剤薬局薬剤師は病院の薬剤師よりも、積極的にジェネリック医薬品を勧めていると答えたのです。また、ジェネリック医薬品の安全性は新薬と変わらないかという問いには、病院の薬剤師は個人経営やチェーン店の調剤薬局薬剤師に比べて低かったのです。そもそもジェネリック医薬品とはどういったものなのでしょうか?有効成分やその量、効き目や安全性は新薬となんら変わりありませんが、形状や味を変えている場合もあります。新薬よりも開発時間が短く、コストを抑えることが可能なため安価な値段で提供できるのがジェネリックの特徴なのです。患者さんによっては、ジェネリック医薬品の形状や味を変えていることで、体に合う薬となっている場合も少なからずあるかと思います。お薬手帳の確認に加えて、薬剤師側からのアプローチで意向を聞いてあげることが、患者さん1人1人に合った調剤の提供ができてくるのです。
かかりつけ薬局でコミュニケーションを
地域の包括ケアや医療連携をしていく上で大切なのは、患者さんの健康や運動能力といった見えにくい生活背景に寄り添える薬剤師でなければいけません。お薬手帳にすべてのことが書かれているかと言ったらそうではないので、患者さんとのコミュニケーション能力も重要になってきます。よりよい地域医療を提供できるようにするには、薬剤師の質も向上させていかなければいけないのです。
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