2016年12月27日 更新

病院電子化へ―2020年運用開始の「PeOPLe」って知ってた?

今年10月に厚生労働省は、「PeOPLe(ピープル)」という医療システムの導入を決定しました。これは国民の基本的な医療履歴をデータベース化し、幅広く活用するシステムのことです。では「PeOPLe」とは具体的にどんなシステムなのでしょうか? 今回はこれから導入が開始される上記サービスに関して解説いたします。

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「PeOPLe(ピープル)」とは

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PeOPLeは2020年に段階的に運用を開始し、2025年には本格運用を目指しています。国民の性別や年齢などの基本情報に加えて、病歴や服薬歴、検査情報や、副作用歴、アレルギーなどを登録しておくことによって、地域の医療や介護の連携などの情報共有が容易になると見込まれています。国の主導で規格を統一し総合的に管理したり、ほかにもさまざまなことに活用ができるシステムです。
たとえば、不慮の事故で救急搬送されてしまったり、災害時にもPeOPLeを活用することで迅速な対応がとれるのがメリットです。また集積されたデータを利用して、病気の原因解明や、新医薬品の開発にも役立ちます。これにより、国民ひとりひとりが自分の健康や医療に関して興味を持ち、連携の無駄を省くことで医療費がかさむ問題も解決されることが期待されています。
本格的な運用が始まることで、医療がより一層身近になることでしょう。

今後のハードルはとても高い

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PeOPLeの運用はまだ決まったばかりです。本格的に導入されるのには、まだまだ時間がかかります。導入により一聞して便利なことが増えそうにも思えますが、個人情報のなかでもかなりデリケートな内容(いわゆる機微情報)を扱うものでもあり、今後解決していかなければならない課題は非常に大きいものがあります。管理する情報の収集やその管理・運営には厳正なルールと徹底したセキュリティが必要となるでしょう。PeOPLeは、患者個人だけでなく、医師や薬剤師などの医療従事者もアクセスできるものです。個人情報漏洩などのリスク対策についても、じっくりと内容を詰めていく必要がありそうです。

PeOPLeとおくすり手帳の関係

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「お薬手帳」を利用されている方は多いかと思います。紙製の手帳に、患者個人の病歴や服薬歴、アレルギーの有無などを記してきました。お薬手帳があることで、薬の飲み合わせに気をつけるなど、薬服用の際の副作用のリスクを回避することができたり、旅行や災害時など急に体調が悪くなってしまったときに提示することで、自分の薬情報をスムーズに伝えることができます。
しかし、紙製のお薬手帳では往診時にうっかり携帯することを忘れてしまったり、どこにしまっておいたかがわからなくなってしまう人も多いようです。そこでおすすめしたいのが、「電子版お薬手帳」です。スマホのアプリとしてお薬手帳を携帯することで、持参するのを忘れたり、うっかり失くしてしまうといったような心配も少なくなります。
また紙製のお薬手帳よりも手軽で便利に使える機能があります。たとえば、家族全員の服用中のお薬を個別に登録することができたり、薬局で手渡しされるお薬情報のQRコードをスマホでスキャンするだけで、アプリ内に自動的に服薬情報を登録することができたりします。お薬の副作用などもその場で検索できるものもあり、魅力のひとつ。

またアプリによっては服用管理ができるものもあります。もらった薬だけでなく、その薬をキチンと飲んでいるのかどうか、効果はでているのか、といったことは「薬を管理する」という趣旨に対しては本来きちっと情報管理しておきたいところ。医師や薬剤師へのフィードバックをより正確にする上でも、こういった便利な機能を積極的に使っていきたいものです。
医療情報の電子化による様々なメリットを期待できるPeOPLeへ向けて、今のうちから自分や家族の服用管理を電子化しておくこともいいかもしれません。

おくすり手帳の習慣付けを!

PeOPLeが導入されるようになると、医療情報の連携がスムースになり便利になるのはもちろんですが、新薬を含めた日本の医療界の発展も見込めそうです。しかし、導入までには課題も山積み。

病院の診療の履歴は電子カルテ、処方薬の情報や日々の体調管理のベースはおくすり手帳アプリ、そういった電子化の住み分けをしておけば、その延長にこのPeOPLeはあるのかもしれません。当たり前のように電子版の「お薬手帳」を活用して行く人が増えれば、PeOPLe導入の壁も少しは低くなるかもしれませんね。
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