女性の死因第1位は大腸がん
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現在日本人の死因でもっとも多いのが、がんです。平成22年の人口動態統計によると年間35万3,000人ほどががんにより死亡しています。また女性の死因の第1位は、直腸や結腸の「大腸がん」です。通常細胞はそれぞれの役割を果たすために、一定の調和を保っているものですが、1つの細胞が変化し、異常な増殖を始めた結果にがんを発症します。異常ながん細胞が増え続けると腫瘍ができ、臓器の機能が低下していきます。
大腸がんの再発・死亡のリスクが少ない
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アメリカなどの研究班が、結腸がんでステージⅢのものを保有し、手術後に化学療法を受けた953人を対象とした追跡調査をおこないました。内容は、カフェインが入ったコーヒー、カフェイン抜きのコーヒー、紅茶の消費量と病気の経過についてです。すると、1日4杯以上のカフェイン入りコーヒーを飲む患者は、カフェインをまったく摂取しない患者に比べて、結腸がんを再発したり、結腸がんで死亡するリスクがかなり低くなったのです。カフェインの摂取量が増えれば増えるほど、がんの再発や死亡リスクが小さくなることがわかり、また、カフェインの入っていないコーヒーや紅茶ではこのような変化は見られなかったのです。
しかし、この調査方法ではコーヒーががんの再発を必ずしも防止したとは言い切れません。その患者がもともとコーヒーを飲む習慣があったかどうか、また手術時の病気や体の調子というのも判断材料になりそうです。はっきりとした確証を得るためには、まだまだ課題が残っています。
しかし、この調査方法ではコーヒーががんの再発を必ずしも防止したとは言い切れません。その患者がもともとコーヒーを飲む習慣があったかどうか、また手術時の病気や体の調子というのも判断材料になりそうです。はっきりとした確証を得るためには、まだまだ課題が残っています。
コーヒーが大腸がんに効果的なのは女性だけ?
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一方で、コーヒーが大腸がんに有効なのは患者が女性の場合のみ、ともいわれています。この研究は国立がん研究センターの『多目的コホート研究』により調査・発表がされました。多目的コホート研究というのは、人々のライフスタイルと疫病発症率の関連性を紐づけるために行われている研究のことです。長年に渡って、約10万人を対象におこなっています。約10年間の研究期間中に、大腸がんを発症した女性・437人に生活習慣と照らし合わせながら結果がまとめられています。
女性の大腸ガンにはコーヒーを飲むことで、以下の効果が発揮されるといわれています。
腸内の胆汁酸濃度を抑える、血中コレステロールの濃度を抑える、腸の運動を活性化させる、高血糖を防いで糖尿病を予防する、抗酸化物質により発がん物質を除去するというものです。男性への調査では、コーヒーの摂取量と大腸がんの発症率にはなんの関連性も見られなかったということです。
一般的に男性の方が、大腸がんを招くライフスタイル的な因子が多いために、コーヒーがもたらす作用が十分に発揮されていないと考えられます。また喫煙量や、脂肪分が多い外食の回数、飲酒量が多い男性は、現実的に大腸がんの発症率が高いようです。
女性の大腸ガンにはコーヒーを飲むことで、以下の効果が発揮されるといわれています。
腸内の胆汁酸濃度を抑える、血中コレステロールの濃度を抑える、腸の運動を活性化させる、高血糖を防いで糖尿病を予防する、抗酸化物質により発がん物質を除去するというものです。男性への調査では、コーヒーの摂取量と大腸がんの発症率にはなんの関連性も見られなかったということです。
一般的に男性の方が、大腸がんを招くライフスタイル的な因子が多いために、コーヒーがもたらす作用が十分に発揮されていないと考えられます。また喫煙量や、脂肪分が多い外食の回数、飲酒量が多い男性は、現実的に大腸がんの発症率が高いようです。
コーヒーと薬の飲みあわせに注意
コーヒーが体に良さそうだから、といって気をつけなければいけないのが、薬との飲みあわせです。特に気管支喘息を患っている人は、カフェインとテオフィリンの関係性を覚えておいた方が良いでしょう。テオフィリンは喘息患者の気管支を拡張する作用がありますが、この成分の構造はカフェインとよく似ています。カフェインにも気管支を拡張する作用があるので、最悪の場合は副作用で嘔吐や下痢、けいれんなどを発症してしまうのです。
また胃潰瘍を患っている人も、潰瘍を治療する薬(H2ブロッカー)がカフェインを体外へ排出するのを妨げるために血中濃度が上昇し、カフェインの作用が増強されてしまうので注意が必要です。
また胃潰瘍を患っている人も、潰瘍を治療する薬(H2ブロッカー)がカフェインを体外へ排出するのを妨げるために血中濃度が上昇し、カフェインの作用が増強されてしまうので注意が必要です。
今後の調査に期待
大腸がんの回復にコーヒーが有効的という調査結果がある一方で、まだまだ細かな検証が必要になりそうです。またコーヒーと薬の飲みあわせにはリスクが大きいこともわかりました。大腸がん患者、または手術済みに関わらず、日常的にコーヒーを多く飲む人はあらかじめお薬手帳に大体の摂取量を記載しておくと良いでしょう。いざ薬を処方してもらう、となったとき、その情報をもとに医師が適切な薬を処方してくれます。
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